父方のおじいちゃんはニコンに勤めていたそうだ。
わたしが生まれる前に亡くなったので会ったことは無い。
おじいちゃんは東京のニコンでレンズの研究をしていて、
その研究中の事故で失明したそうです。
その後京都に来ておばあちゃんと結婚した。
おじいちゃんが撮った関東大震災のときの写真が3枚だけ残っていて
これは残しておかないといけない、と思って大切に保管してある。
古いチラシで作った封筒に、古い戸籍謄本と一緒に入っていて、
戸籍謄本は取得しようと思えばいつでもできる物だけど、
現在は使われていないような薄いわら半紙のような紙で
このまま残しておきたいと思ったのでセットで保管している。
衝撃的ではあるが、写真の記録性の重要さを感じる。
またこうやって見てみると、たった3枚ではあるけど
撮り方が自分の写真と似ていなくもない気がする。
自分が高校生のときに写真のニューウェーブがあって
誰にも言わなかったけど
なんとなくやってみたいと思う気持ちを持つようになった。
大学生のときの友達のお父さんが趣味で写真をやっていたという話を聞いたので、
軽い気持ちで、カメラってどこのがいいのかな?って聞いたら
「ニコン」て教えてくれたことをずっと覚えていて、
大学を卒業して就職が決まらずにいたときにニコンのFM2を買った。
それ以来今もニコンを使い続けている。
おじいちゃんの過去を意識したことは一度も無かったけど、
今となってはその激動の人生が、わたしの人生に関係無いことでは
無いんじゃないかと思えるのは、少し怖くもあり、この世のすごいとこだ。