ギャラが振り込まれた記念に、自転車圏内で一度行ってみたかったホテル椿山荘のカフェに行ってみることにした。アリババ並みの自動ドアの向こうには、予想を超えたラグジュアリーな空間が広がっていた。自転車で行ったわけなので当然服装も浮いていたけれど、あまりそういうことを気にしないタチなので、そのまま回廊をカフェに向かって進んでいくと、回廊の中に配置された森の緑がまた事の外、重厚感ある緑に見えた。
たどり着いたカフェのメニュー表には、紅茶1600円の表記があり、予想はしていたものの、躊躇してしまったた。ものは経験として、流れに乗ってこのまま入ってしまおうか、しかも暑い中そこそこ漕いできたので熱中症の危険もあるし、ケチりすぎるのも良くない、という考えが逡巡したけど、やはり庶民として長年生きてきた自分にはハードルが高すぎたようで、気がついたらドアに向かって歩き出していた。
目白駅まで戻ってチョコクロでケリを付けようと思ったが、途中、鬼子母神の参道商店街が目に入り進んでみることにした。横尾忠則風のY字路のたもとに和風茶屋を発見し、決心が付いた。
コーヒーゼリーが入った冷やしぜんざいという凝ったデザートときちんとポットから淹れるアイスティー合わせて、カメリアマウンテンの紅茶と同じ値段だった。自分の経済観念は正しかったように思い、今後の生活に自信が持てた。