帰ってきて着替えてアクセサリーを外したところでバングルが無いことに気づいた。2センチぐらい幅が有るものなので、そう簡単に無くすタイプでは無い。ずっと幅広のものが欲しくて、代官山蚤の市でやっと巡り合って買ったお気に入りのものだ。落ち込んでる場合ではないと思い、今日の行動ルートを冷静に振り返ってみた。今日は日差しが強く、珍しく腕にも日焼け止めを塗り直した時に、バングルを外した記憶がある。
渋谷で用事を済ませた後、井の頭線で下北に行き、前から行ってみたかった古着屋を何軒が梯子した。途中で入ったスタバのトイレが怪しい気がして、電話で問い合わせしたが、無いとのことだった。次に怪しいのは古着屋の試着室だが、そっちも結局無し。こうなったら、その日に行った、落とした候補として考えられる場所に片っ端から問い合わせることにした。井の頭線のトイレ、ランチしたカフェ、全ての古着屋、パルコのトイレ。全部フラれた。止めどなく落ち込みそうだったので、もう必要が無いものだったんだ、またいいのがあれば買えばいい、執着するのはやめよう、と自分に言い聞かせて諦めた。
2ヶ月ほど経ったある日、冷蔵庫に付けていたマグネットを外したところ、手から滑り落ちて、通常有り得ないほど転がって、引き戸で仕切られている隣の部屋の事務机の足元、ぎっしり書類が詰めてあるファイルボックスの中にポソっと入った。同じ場所にバングルが挟まっているのを発見した。とても嬉しかった。と同時に、机の下の整理をかれこれ2年程サボっていることを反省した。どのぐらいのレベルかというと、IKEAで買った横に結構広めのがっしりした事務机の足元に、ほとんど足が入らないぐらいファイルボックスに詰め込んだ書類が溜まっている。安定して涼しくなったら、絶対整理するから。