また新しい作品をまとめる作業を始めた。
今のファイルが自分の中で過去のものになってきたから。
そういう感覚は最近起こったわけでは無いが、
命がけで作ったものを誰にも見せずに(正確に言うと少数には見せた)
次に進むのは今までやったことが無かったし、
ものすごく腑に落ちないことです。
世界中の人が大なり少なり、同じ状況だからとか、
甲子園目指してた球児よりはよほど救いようがあるじゃやないか、と
言われてしまえば、その通りだし、反論できない。
ただ、相対的な条件で納得した気持ちになれるかというとなれない。
もっと強くなれ、と一言言われてしまえばそうなのかもしれないけど、
正論だから受け入れられるわけでは無い。
ただ、最近自分が撮ったものの中に自分の好きな写真(結局いつもこの基準で選んでいる)が
散見されたこと、それが数年前とはクオリティが変わったと自分で感じたこと、
写真を嫌いにならなかったことだけが自分の中のこの5年の収穫でした。
自分でそう感じられることは、何よりも大きいと今までなら思えたけど、
それを上回るほどこの時間の長さが堪える今日この頃です。
来週でワクチン打ち終わったら解放されるのだろうか。
やっぱり牛腸さんの写真集のラストの引用文は深い。
「ある人間にとって世界を生き生きとしたものにするために、あるいは、
人がそこに身を寄せている現実を一瞥で、一つの身振りで、一つの言葉で
味気ないものにしてしまうために、もう一人の人間ほど効果的な作因は存在しないように
思われる。」[経験の政治学]より (SELF AND OTHERS 牛腸茂雄)